記事 04 / 返金
途中でやめたとき、いくら戻るか
8日を過ぎても、契約はいつでもやめられます。ただし戻る金額は決まった式で計算され、事業者が差し引ける額には法律で上限があります。
中途解約に、期限はありません
まず前提から。特定継続的役務提供に当たる契約は、期間の途中でもいつでも解除できます。理由を説明する必要もありません。
クーリング・オフとの違いは2つ。期限がないことと、払ったお金が全額は戻らないことです。
全額戻らないのは、すでに受けたぶんの対価と、事業者側の損害に当たる金額が差し引かれるためです。
ただし、差し引ける金額には上限があります。上限は法律で決まっていて、事業者が自由に決められるものではありません。
ここを知らないと、提示された返金額が正しいのかどうかを判断できません。わたしは知らないまま、計算を確かめずに終わらせました。
受ける前にやめる場合の、上限額
契約したけれど、まだ1回も受けていない。この段階でやめる場合の上限額は、役務ごとに定額で決まっています。
学びに関する4つを並べると、学習塾が1万1000円、語学教室とパソコン教室が1万5000円、家庭教師が2万円です。
つまり、8日を過ぎたあと、受講を始める前にやめた場合、差し引かれるのはこの金額までということになります。
30万円の契約でも、始める前なら差し引かれるのは上限まで。残りは戻る計算です。ここは知っておく価値があります。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026年8月28日閲覧)。薄い1本は学び以外の役務で、目盛りの読み方を確かめるために並べています。
受け始めたあとは、式が変わります
すでに何回か受けたあとにやめる場合、計算は2段になります。受けたぶんの対価と、それに上乗せされる上限額です。
上乗せの部分は、役務ごとに「いくら」または「割合」のどちらか低いほうと決まっています。ここが少しややこしい。
語学教室とパソコン教室は、5万円か契約残額の20%のうち低いほう。学習塾は2万円か1か月分の授業料のうち低いほうです。
家庭教師は5万円か1か月分の授業料のうち低いほう。同じ「学び」でも、役務によって基準そのものが違います。
残額が少なくなるほど、割合で計算した額のほうが低くなります。終盤でやめる場合は、差し引かれる額も小さくなる仕組みです。
| 役務 | 上限(低いほうを採る) |
|---|---|
| 語学教室 | 5万円/契約残額の20% |
| パソコン教室 | 5万円/契約残額の20% |
| 家庭教師 | 5万円/1か月分の授業料 |
| 学習塾 | 2万円/1か月分の授業料 |
| 美容医療 | 5万円/契約残額の20% |
| 結婚相手紹介サービス | 2万円/契約残額の20% |
| エステティック | 2万円/契約残額の10% |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」。いずれも、提供された役務の対価に相当する額を差し引いたうえで、さらにこの範囲まで請求できるという意味です。
提示された金額を、自分で検算する
解約を申し出ると、事業者から返金額が提示されます。その数字が正しいかどうかは、こちらでも確かめられます。
確かめるのに必要なのは3つ。契約の総額、すでに受けた回数分の対価、そして残っている契約額です。
総額から受けたぶんを引き、そこからさらに上限までの金額を引く。それが戻ってくる金額の目安になります。
計算が合わない場合、まず内訳を出してもらいます。何をいくらで差し引いたのかが書かれていない明細は、確かめようがありません。
それでも納得できないときは、明細と契約書を持って消費生活センターに相談します。計算の当否は、こちらでは判断できません。
注意しておくこと
ここに書いた上限は、その契約が特定継続的役務提供に当たる場合のものです。当たらない契約では、契約書に書かれた解約条項が基準になります。
教材などの関連商品がある場合、そちらの扱いは別に決まります。次の記事で扱います。
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