記事 02 / 対象
その講座は、法律の対象か
書面の義務やクーリング・オフは、すべての講座に付くわけではありません。付くのは「特定継続的役務提供」に当たる契約だけで、当たるかどうかは3つの条件で決まります。
同じ「講座」でも、付く保護が違います
前の記事で、契約の前後に渡される2枚の書面の話を書きました。あの義務は、どんな講座にも付いているわけではありません。
特定商取引法には「特定継続的役務提供」という枠があり、そこに入る契約にだけ、書面の交付義務とクーリング・オフと中途解約の権利が付きます。
枠に入るかどうかは、3つの条件で決まります。役務の種類、期間、金額。どれか1つでも外れると、この枠には入りません。
わたしが払った講座がここに入っていたのかどうか、いまでも分かりません。契約書面を受け取った記憶がないので、確かめようがないのです。
これから払う人には、その確認を先にしてほしいと思っています。順番としては、内容を吟味するより前です。
1つめの条件、役務の種類
まず、法律が指定している役務は7つだけです。学びに関係するのは、語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室の4つになります。
残りの3つは、エステティック・美容医療・結婚相手紹介サービスです。学びとは別の分野ですが、同じ枠の中に入っています。
ここに書かれていない分野は、どれだけ高額でも、どれだけ長期でも、この枠には入りません。資格の講座も、名前だけでは判断できません。
判断の材料になるのは、講座の呼び名ではなく中身のほうです。何を教えているかで、4つのどれかに当たるかを見ます。
| 役務 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| 語学教室 | 2月を超える | 5万円を超える |
| 家庭教師 | 2月を超える | 5万円を超える |
| 学習塾 | 2月を超える | 5万円を超える |
| パソコン教室 | 2月を超える | 5万円を超える |
| 結婚相手紹介サービス | 2月を超える | 5万円を超える |
| エステティック | 1月を超える | 5万円を超える |
| 美容医療 | 1月を超える | 5万円を超える |
2つめと3つめ、期間と金額
期間の条件は、学びに関する4つではどれも「2月を超えるもの」です。ちょうど2か月の契約は入りません。超えることが必要です。
金額の条件は7つとも共通で「5万円を超えるもの」。こちらも、ちょうど5万円では入りません。1円でも超える必要があります。
金額は、受講料だけでなく入会金や教材費を含めて数えます。受講料が4万円でも、教材が2万円なら合計で条件を満たします。
期限のない回数券のように、いつまでに使い切るかが決まっていないものは、常に期間の条件を超えているものとして扱われます。
つまり「2か月ぶんだけ買ったつもり」でも、期限が書かれていなければ枠の中に入る可能性があります。逆に言えば、期限の欄は必ず見ます。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026年8月28日閲覧)
オンラインの講座も、入ることがあります
教室に通わないオンライン講座は対象外だろう、と考えていました。これは間違いでした。
消費者庁のQ&Aでは、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便などを用いて行われる場合も広く含まれる、と説明されています。
通信教育による家庭教師やパソコン教室も対象になり得ます。教材に付いた通信添削や電話の学習相談も、学力の向上を図る内容であれば規制の対象です。
つまり、画面越しかどうかは分かれ目ではありません。分かれ目は、あくまで役務の種類・期間・金額の3つです。
ただし、自分の契約が実際にどう扱われるかは、契約書の書き方によって変わります。そこはこの帳面では判断できません。
枠に入らなかった場合に残るもの
3つの条件のどれかを満たさない場合、特定商取引法のこの章の保護は付きません。ただし、消費者契約法など別の法律まで消えるわけではありません。うそを言われて契約した場合の取消しなどは、そちらの領域です。
自分の契約がどちらに当たるかの判断は、消費生活センター(消費者ホットライン 188)で相談できます。契約書と広告を手元に置いてから電話すると、話が早く進みます。
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